ポストMBAのキャリアはみんな迷うところだと思います。
NTUの同級生でも迷っている人は多く、サクッと決めてしまう人がいる一方で、未だにインターンを転々としている人や、世界を放浪しながらフリーランスで受託開発をやっている人もいます。
ということで、今回はNTUのMBA生のその後についてお話ししていきます。
コンサルに夢をみないMBA生たち
自分の代に限って言えばかなりの人数がテック系企業に就職しました。
会社の規模も働く場所も様々で、シンガポールのGAFAMもいれば、ニッチな医療系ITのベンチャーの自国の支店で働く人もいます。
畑違いの異業種出身者でも、テック系企業のMBA採用だとマネージャーくらいからスタートしている人が多いですね。
学生の強いテック系志向は、元々エンジニアなどの理系出身者が多いNTU特有の傾向でしょうし、金融やコンサル出身者がNTUよりも多いNUSなんかは傾向が違うと思われます。
そして、MBBに代表される戦略コンサルを目指す人はほとんどいません。せいぜいBig 4が片手で数えられるくらいのものです。
コンサル出身者はコンサルに夢を見ていないので、ポストMBAは事業会社を目指す傾向にあります。
コンサル出身ではない多くの学生は20代の頃に身を粉にして働いた経験があるので、給料が良くても、自分の時間を犠牲にしてまで激務の業界で働きたいと考えている人は少数派です。
また、シンガポールのMBBが積極的にMBA生のリクルーティングに行くのはINSEADくらいで、NUSもNTUもSMUもあまり相手にされていません。
学生はそのことをよくわかっています。
NTUの学生の場合、下手すれば2000万近くかかる欧米のMBA生よりも、MBAのコストをなんとかペイしなければという意識が薄く、その代わりに異業種異業界へキャリアチェンジしたいとか、シンガポールで働きたいとか、ワークライフバランスを保てる仕事がしたいといった志向が先に来ているような気がします。
金融出身者は金融に戻る
対照的なのが金融出身者です。
金融と一口に言っても、銀行やら証券やらPEやらありますが、いずれにせよ元々金融業界で働いていた人のほとんどは金融に戻っていきます。
証券からPEといった、金融業界内での動きはありますが、証券から製薬メーカーのような異業界に行く人はかなりレアです。その逆も然り。
これは年収の問題が大きいというのが僕の予想です。
精華大学を出てICBCで働いてました、みたいな中国の金融エリートがそこらの事業会社に行ったとしても、異業種未経験の状態でMBAのコストを一瞬でペイできる高い年収を提示されることはなかなかないでしょう。
あと余談ですが、ある大手日系転職エージェントのシンガポール支店で現地就職の相談をした時に、「この国ではMBAは重宝されません」と自称ベテランの日本人コンサルタントに言われ、「(はぁ〜?何言ってんだこいつ)」と思ったことがあります。
シンガポールでの現地就職は自分の実力だけではなく、国の政策による影響もあります。
タイミング次第なところもあり、一概に簡単とか難しいとか言えるものではありません。
ただ確実に言えるのは、「シンガポールでMBAは重宝されません」というのは誤りだということです。
大学のキャリアオフィスにMBA採用の求人票がたくさん来るのがその証拠です。
実際、ShopeeもGrabもMBAホルダーを採用していますし、僕がクビになったITベンチャーはマネージャーアップの半数以上がMBAを持っていました。
さて、肝心の猫マグロはシンガポールのITベンチャーをクビになった後どうしたんだと気になっている人もいそうなので、ぼちぼち僕の就職活動の話もしたいと思います。