妻の仕事が決まり、東京に引っ越してきたタイミングで仕事を探し始めました。2022年10月末のことです。
インターンを除くと僕にとっては初めての転職活動になります。
なお、今回の就職先が前職のメーカー以上にニッチで、簡単に特定される可能性があるため、業界や職種は公開しません。悪しからずご了承ください。
ポストMBA、何やる?
MBA中からなんとなく卒業後にやりたい仕事は決めていました。
最初は監査法人の会計監査に興味を持っていて、だからこそUSCPAを取ろうとしていたわけです。
近年は門戸が広がっていると言えど、会計業界は依然として資格ありきの採用や昇格基準になっていて、僕の簿記2級とMBA程度では話になりません。
USCPA4科目を揃えても日本の監査調書にサインできる訳ではありませんが、監査法人の人材不足は深刻なようで、Big4監査法人はUSCPA保有者をどんどん採用しています。
作業着で油まみれになるのも嫌いではないですが、僕の大学の後輩がUSCPAを取って監査法人に転職し、キラキラツイートしまくっているのを見ると、なんだか憧れますよね。
一番は日本の会計士資格を取るのがいいのでしょうが、今から目指すのは非現実的です。来世に期待。
監査のやりがいとは
いざ業界のことを調べてみると、監査業界特有の商いの構造があり、それが嫌で辞める会計士も少なくないことを知りました。
監査法人がお金をもらうのはそこらの上場企業ですが、誰のために監査をやるかというと一番は投資家になります。
さらに、監査先企業が欲しいのは監査法人からの無限定適正意見ですが、監査法人は「これ、あきまへんのちゃいまっか」とクライアントに言う必要があります。
ある意味でお客さんではない人から報酬をもらい、一銭も報酬を払っていない人にサービスを提供する。そして、報酬を払ってもらった人に要求されていないサービスを提供する。
これは一般的な商売ではありえない構造です。
また、監査法人には監査先企業の全ての不正を見つけてほしいという社会の期待があります。
企業の不正が見つかった時に、監査法人は何やってんだと後ろ指を指す人は少なくありません。
しかし、実際はというと監査のメインの役割は不正を見つけることではなく、「財務諸表に重大な虚偽表示がないことを合理的な範囲で保証する」ことです。
決して、100%正確ですというお墨付きを与える訳ではないんですね。ここに社会の期待と実態とのギャップがあります。
もちろん監査の仕事は社会に必要なことですし、その価値ゆえに会計士が高い給料をもらえるのだと思います。やりがいを持って働いている人もたくさんいるでしょう。
でも、営業ばっかりやってきた僕が監査職につくと、それこそ誰のために何をやっているのか分からなくなって、早々にモチベーションを失ってしまいそうでした。
こうして会計監査への憧れは無くなり、一回振り出しに戻ることにしました。
最初にやったこと
とりあえず自分の経験を棚卸しして、日本語の職務経歴書と履歴書を書きました。MBAで英文レジュメを作っていたので、この作業はそれほど時間はかからなかったです。
自分には英語と営業経験があります。でも、営業はもうやりたくないです。
会計士資格も税理士資格もないけれど、会計に関する仕事をしたいです。薄給でもいいので、これから頑張ります。
できれば通勤で1時間もかからないオフィスがいいです。
こうやって、順番に思ったことを言語化していきました。
こうした過程を経て、現状全部中途半端ではありますが、英語x会計x営業という自分の興味とこれまでにやってきたことを活かせるような仕事を探しはじめました。
これ以上営業はやりたくないのですが、結局商売するにはどんな形であれ営業しないといけないんですよね。商売をするにはつくる、売るのふたつが必要です。いい物を作るだけでは不十分で、それを売らないといけない。
そう考えると、営業で揉みくちゃになった経験は決して無駄ではなかったと思います。