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シンガポールの大学の学費が無料になる話の真実

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こんにちは、猫マグロです。

みなさんはシンガポールの大学がタダになるという噂を聞いたことはありますか?
都市伝説のようで真偽はわからないけれど、聞いたことがあるという人もいるかと思います。

今回はシンガポールの大学の学費が無料になる話の真実をお伝えします。

結論から言うと、制度はあります。ただし、制度を利用するにはいくつかの条件があります。
下の説明はシンガポール教育庁(MOE)のWebサイトから引用したものです。

 

The Tuition Grant (TG) is a grant provided by the Government of Singapore to help students manage the costs of full-time tertiary education in Singapore.
Eligible Singapore Citizens, Permanent Residents and International Students enrolled in full-time undergraduate courses at our autonomous universities (i.e. NUS, NTU, SMU, SUTD,SIT and SUSS) may take up the Tuition Grant.

 

まず、奨学金(TG)の対象者はUndergraduate(学士)のみ対象になっていて、Postgraduate(修士以上)は対象外になります。
残念ながら、MBAもPostgraduateなので奨学金制度の利用はできません。

対象となる大学は上記の通り、シンガポール国内に本部がある学校のみです。
シンガポールにはESSECやINSEADのような海外大のキャンパスもありますが、これらは対象外ということになります。

日本の返済義務があるなんちゃって奨学金とは違い、こちらの奨学金は返済義務がありません。

 

For eligible international students:
International students may choose to apply for a Tier C Tuition Grant only, as part of their online university admissionapplication.
There is a limited number of Tuition Grants available for international students, and selection is competitive and based on merit.
Successful applicants are required to work for a Singapore entity for 3 years upon
graduation.

 

シンガポール人は先述の大学に入学した時点で自動的に奨学金が適用されるようになっています。
一方で、永住権保持者を含む外国人は奨学金対象者の選考があるため、全ての応募者が奨学金を受け取れるわけではありません。
また、対象者として選ばれた場合、卒業後にシンガポール国内で3年間働くことが義務付けられます。

 

で、現実はどうかと言いますと、この制度を利用するハードルはどんどん上がっています。

シンガポールは他民族国家では外国人労働者も非常に多いものの、現在はシンガポール人労働者の割合を増やそうとしています。
また新型コロナの影響で景気が悪化し、留学生が卒業した後に仕事を見つけるのが難しくなっています。シンガポール国内で働くためのビザの発給も厳しくなっています。国家が自国民を優先するのは当然ですよね。
最近はシンガポールの国会で、不景気で外国人に奨学金を与えるのはどうなのかと議論になっているようです。

もちろん働けないから仕方ないでは済まず、3年間働くという条件を満たすことができなければ多額の違約金を課せられることになります。

この制度を利用している留学生は全留学生の10%以下とも言われていて、制度があることと、それを活用できることは全く意味が違います。

 

お金持ちやエリートには関係ない話かもしれませんが、少なくとも僕のような大多数の凡人にとって、この制度をアテにしてシンガポール国内の大学進学を目指すのはリスキーな選択ではないでしょうか。