こんにちは、猫マグロです
突然ですが、あなたは内向型人間ですか?外向型人間ですか?
もしあなたが外向型人間なら、周囲に内向型の人はいますか?
もしいたら、あなたはその人のことを理解できていますか?
あの人は何を考えているか分からないなんて思っていませんか?
もしあなたが内向型人間なら、自分の性質を理解していますか?
内向的な自分を責めていませんか?
今日はこの"内向型"についてお話ししていきます。
内向的(introverted)とは
”内向型”という言葉の意味をご存知ですか?"内向的"な人とはどんな人を指すのでしょうか。
よく間違えられるのですが、”内向型(introverted)”はコミュ障、陰キャラ、オタク、シャイな人のことではありません。特に"シャイ(shy)"と意味が混同されることが多いので、ここで違いを説明しておきたいと思います。
Shyness and introversion are two types of personality characteristics that are very often written off as the same thing by those that don’t have to deal with one, the other, or both.
Introversion is one of the pairs in the Myers-Briggs personality tests that is given a higher rating if the person recharges their energy by solitary activities such as reading, writing, and reflection.
Shyness defines how a person deals with others and unfamiliar situations; those who are shy have a hard time talking to and meeting new people, and are often uncomfortable in new situations.
雑に要約すると、"内向的"とは読み書きのような一人での活動によって精神的に回復する人のこと。"シャイ"とは新しい環境や人と向き合うのを不快と感じる人のこと。
内向的な人は新しい人に出会うことを嫌わないし、苦手ともしません。人と仲良くなるのが苦手というわけでも、おしゃべりが下手という意味でもありません。
内向的な人は外向的な人よりも外部刺激(新しい人に出会ったり、新しい環境に入る等)に強く反応するので精神力や体力を使います。
そして、回復するために内向的な人は一人になります。本を読んだり、絵を描いたり、小説を書いたり。これが"内向的"ということです。
内向型人間チェック
TEDのプレゼンターであるSusan Cainさんの著書「Quiet」の中ではこのように定義されています。
内気とは他人から非難されたり屈辱を感じたるすることを恐れる性質のことであり、内向性とは刺激が強すぎない環境を好む性質である。
内気と内向性は似たようで異なる人間の性質を指している。
この定義だと少し抽象的ですが、同書の中で内向的な人かどうかわかる診断テストがあります。
・グループよりも一対一の会話を好む
・文章の方が自分を表現しやすいことが多い
・ひとりでいる時間を楽しめる
・周りの人にくらべて、他人の財産や名声や地位にそれほど興味がないようだ
・内容の無い世間話は好きではないが、関心のある話題について深く話し合うのは好き
・聞き上手だと言われる
・大きなリスクは冒さない
・邪魔されずに「没頭できる」仕事が好きだ
・誕生日はごく親しい友人ひとりか二人で、あるいは家族だけで祝いたい・「物静かだ」「落ち着いている」と言われる
・仕事や作品が完成するまで、他人に見せたり意見を求めたりしない
・他人と衝突するのは嫌いだ
・独力での作業で最大限に実力を発揮する
・考えてから話す傾向がある
・外出して活動したあとは、たとえそれが楽しい体験であっても消耗したと感じる
・かかってきた電話をボイスメールに回すことがある
・もしどちらか選べというなら、忙しすぎる週末よりなにもすることがない週末を選ぶ
・一度に複数のことをするのは楽しめない
・集中するのは簡単だ
・授業を受けるとき、セミナーよりも講義形式が好きだ
何個当てはまりましたか?当てはまる数が多いほど、内向的だそうです。
内向性は性格ではなく資質です。そもそも問題ではないから改善という言葉は不適切ですが、外向的な資質が優れているという文化を前提にしても、なかなか改善できるものではありません。
内向的なのは悪いことなのか
外向的な人間が社会で好まれていると感じたことはないでしょうか?
就職活動は典型的な例ですね。あれは外向的な人にとっては簡単なゲームでしょう。
恥ずかしながら、僕は留学をするまで内向性・外向性という言葉を知りませんでした。留学先で"introvert"と"extrovert"という単語を知り、その日本語訳として、内向性・外向性という言葉をはじめて知りました。
外向的な人の情報が社会に溢れているのは、外向的な人たちが自分自身の情報を積極的に発信するからです。 自分はこんな経歴で、こんな人脈を持っていて、こんな能力がある。自己開示、自己アピールが上手いんです。
公の場で自己開示を器用にできる人の情報が多くなるのは当たり前のこと。忘れてはいけないのは、内向的な人の中にもすごい人がいっぱいいるということです。
自己開示しないから、その人の情報が流通しないだけ。もしもあなたが内向的な人なら、外向的な人をロールモデルにして自己改革に励んでも苦痛でしかないでしょう。
内向的なことは悪いことじゃない。内向的なあなたのいいところを伸ばしていこう。
いつだったか、シェアハウスに住んでいる人に密着する番組をテレビで見ました。テラスハウス的なやつではなく、もっとドキュメンタリーっぽい雰囲気の番組です。
一人のOLが出演していました。元々一人暮らしをしていたが、内向的な自分を変えたくてシェアハウスに入居を決意。定期的に住民が集まってパーティーを開催していますが、なかなか住民の和に入っていけません。彼女は別にコミュ症でもなんでもありません。記者の受け答えもしっかりしていたし、昼間はピシッとしたスーツを着てOLとして働いています。
「もっとみんなと関わりたい。」
「でもどうしたらいいか分からない。」
「結局一人が落ち着く。」
そんな矛盾した自分が嫌になってしまう。内向的な自分を否定してしまう。彼女はそんなモヤモヤを持ちながら、一室で資格の勉強に励んでいました。
僕はこの人の気持ちが手に取るように理解できます。新しい環境に飛び込みことは体力・精神力を消耗しすぎてしまう。全く同じ感情を何度も抱いたことがあります。
うまく言葉にできないけれど、虚しさとか同情とか寂しさとか、そういった気持ちになりました。
だれがどう見ても自分を愛していない僕が言うのも変だけれど、自分の内向性に悩む人はもっと自分を愛して欲しいと思うのです。
毎日酒ばっか飲んで騒いでる人が居る横で、毎日コツコツ資格の勉強に励むあなたを褒めてあげて欲しい。不器用でも信頼される聞き上手なあなたを褒めて欲しい。そんなあなたは本当に素敵だから。
このTEDのプレゼンを見たことがあるだろうか。
内向性は内気で陰湿でネガティブで外界との交流を嫌う性格を指しているわけではありません。外向的な人は賞賛されるし、外向的な人が理想であるかのような固定概念を社会が持っています。内向的な人は外向的な人に劣等感を覚え、内向性を治す必要があるものだと思い込んでしまう。
でも実際のところ、内向性と外向性それぞれの性質には優劣などありません。
それぞれに強みと弱みがあって、どちらかが優れているなんてことはないのです。お互いの性質を補完しあうことで、組織としてより大きな成果を生み出せるのではないでしょうか。
カップルでもそうだと思う。優柔不断であまり自己主張しない男と、男にリードされたいと思っている女ではどうもうまくいきません。それなら優柔不断であまり自己主張しない男と、気が強くて積極的な女の組み合わせの方がなんとなくうまくいきそうです。
僕は内向的な人間を受け入れて欲しい。内向的な人間のことを。何を考えているのか分からない人のことを。
僕の友達はインターン終了後の立食パーティーを途中で抜けだしました。耐えられなかったのでしょう。周りの友人は「つまらないやつだ」と言いましたが、僕には彼の行動が理解できました。
人間嫌いな奴だと思われることがあるがそんなことはない。一人の時間が好きだからといって、他者との関わりを絶ちたいとなど全く思わない。他人への興味が薄いからぶっきらぼうな印象を持たれることがあるが、だからといって人間が嫌いなわけではない。
もしあなたが内向的な人間なら、内向的な人間の性質を理解して、あなたを受け入れて欲しい。
もしあなたが外向的な人で、まわりに内向的な人がいれば、内向性という人間の性質を思い返してその人に接して欲しいです。