僕は面接が苦手でした。
元々自分のことを話したがる人間ではないし、それを強いられる面接というものに嫌悪感すら抱いていました。自他ともに認める内向型人間だったんですね。
特に、面接官との物理的な距離がある面接は苦手でした。5メートルぐらい私の席と面接官の席が離れていて、なぜかひどく緊張しました。
評価シートへの書き込みを見られないようにするために距離を開けるというのは分かります。見られたら困るからです。でも、紙で隠すとか、角度をつける等の工夫をしている企業もたくさんあります。
「あなたの素を教えて下さい」って言うくせに、「心の距離、遠くない?(笑)」
一方で、面接官との物理的・心理的な距離が近い面接は得意でした。
最終面接でも”父親と同い歳ぐらいのおっちゃんとおしゃべりするだけ”という気持ち望めたし、純粋に楽しかった。
蓋を開けてみると内々定を頂いた企業はどこも雑談のような面接をしたところで、面接の形式そのものが自分と合っていたんだと思います。
就活セミナーや就活本を頼ったこともありましたが、はっきり言って役に立ちませんでした。
「それでは自己PRを1分でお願いします」なんて文言を実際の選考で聞くことはほんの数社だったし、ドアのノックが2回でもちゃんと内々定をいただけました。
就活セミナーに行くと講師がノックの回数について情熱的に語っていますが、そもそも「ノックの回数で合否を判断する会社に行きたいですか?」と聞かれると僕はNOです。
志望動機は
「僕はこんなことやりたいんですけどね、、」
「テレビで見て面白そうだったんです」
「製品を使ってるから親しみがあるんです」
と、ダメな就活生の典型例でした。
でも、企業の人は志望動機の中身なんてあまり気にしていないのかもしれません。
話の中身よりも、構造的に話す力や表情の豊かさ、バイタリティー、プレッシャー耐性
等の方が見られていたような気がします。
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ここからが本題です。
就職活動体験記2回目は面接編です。
色々な会社の面接を受ける中で、面接には色々なタイプがあり、面接のやり方が業界や会社のカラーとリンクしているような印象を持ちました。
今回は個人面接に注目してお話しします。
個人面接にはおおまかに分けて以下の3タイプがあると思いました。
①形式的面接
②ケース・アドリブ面接
③雑談面接
形式的面接
就活セミナーや就活本が想定しているような、型が決まっている面接のことです。
面接官との心理的な距離があり、質問がESの復唱で、私が最も苦手だった面接のタイプです。
「それでは自己紹介をお願いします」
「自己PR(学生時代に一番力を入れて取り組んだこと)を一分でお願いします」
「志望動機を一分でお願いします」
「周りの人からどんな人だと言われますか」
「長所と短所を教えて下さい」
あまり突っ込まれないので10分〜20分で終わります。
電力や鉄道等のインフラや業界最大手の会社、財閥系のかたい会社に多かった気がします。
話の内容よりもプレッシャーがある状況でどれだけうまく話せるかを見ているように感じました。
みんしゅうなどの就活サイトや先輩などから情報を事前に得ておき、しっかりと準備することが選考通過の秘訣だと思います。
個人的な印象ですが、この形式をとる会社の中には面接官の上から目線な質問の仕方や態度が鼻につく会社も複数ありました。
ただただ合わなかったんだと思います。
ケース・アドリブ面接
エントリーシートに書いてあることを深掘りされたり、その場で出された質問にテンポよく答えていくというもの。面接官との対話形式で一番好きだった面接のタイプです。
私が受けていた機械メーカーや素材メーカーはこれが多く、基本的に和やかな雰囲気で、面接官が話しやすい雰囲気を作ってくれました。
「外、雨ふってましたか?」
「なんで今の大学に行こうと思ったんですか?」
「なんで留学先にこの国を選んだんですか?」
「ウチの会社を知ったきっかけは何ですか?」
「これをする時に一番大変やったことは何?」
「もしもお客さんがこの商品の取引の際にありえない額の値下げを要求してきたらどうやって対応する?」
「これからこの業界はどうなっていくと思う?」
自己PRや志望動機はあまり聞かれないし、雑すぎる志望動機で内々定を頂いたのも全部このタイプの面接です。
ただ、”「何で?」という問いを繰り返しされた”のが印象的です。
構造的に話す力、頭の回転の速さ、主体性を見ているような気がしました。
雑談面接
雑談するだけの面接で、雰囲気重視の会社だとはっきり分かります。
スポーツ用品メーカーや素材メーカーで遭遇しました。
「大学で何やってるん?」
「彼女おるん?」
「なんか質問ある?」
自己紹介と恋愛の話をして5分ぐらいで終わることもあり、選考基準が謎ですが、おそらくその人のオーラを見ているんだと思います。
どの面接にも会社の考えが現れていると思うので、ある程度は面接の方法そのもので会社との相性が分かると思いました。
ただ、どの形式の面接でも大切なのは”うまく話すこと”です。
「うまく話せなくても自分の思いを...」というセミナーの講師がいましたが、これは詭弁です。うまく話せる方がいいに決まっています。
女性を口説くのが得意な男性は面接に強いし、苦手な人は訓練しておいたほうがいいでしょう。