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簿記論の勉強方法

 

以前、簿記論の受験に関する記事を書きましたが、せっかく1年もかけて勉強して、なんとか合格できたので、体験談と反省会的な意味を込めて、もう少し詳しく、勉強方法について記事を書いてみようと思います。

模試では合格ラインと言われる上位30%に入ったことがなく、決して優秀な受験生ではなかったので、反面教師的な視点で読んでいただけるとうれしいです。

 

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簿記論学習開始前の知識

約10年前に簿記2級に合格し、以降会計に関する実務経験はゼロ。基礎的なことは流石に覚えていますが、簿記3級を受験しても落ちるかも...という知識レベルで大原の初学者一発合格コース(試験前年の9月に開講するコース)に申し込みました。

大原では、簿記論の開講前に税理士入門講座(簿記3級の抜粋版)を無料で受講できたため、授業の動画を一通り見て、配布された簿記3級の問題集のうち、指定された問題を解いていました。

税理士試験の会計科目の受験資格要件が撤廃されたとはいえ、ほとんどの人は簿記論の勉強を始める前に簿記2級や1級を取っている、もしくは学習経験があると思われるため、簿記3級も怪しいレベルの自分はかなり出遅れた状態でスタートしたことになります。

カリキュラムの進め方

大原で配られる学習計画表に毎回の授業後の宿題や復習項目が書いてあるので、基本的にはそのとおりに学習を進めました。

個別問題の量を増やしたかったので、途中で大原の外部販売用の個別問題集を買いましたが、それ以外に使ったのは大原の講座の教材のみです。

授業を受けてから、次の授業の日までに、学習計画表上で指定されている問題集の問題を繰り返し解き、復習を進めました。宿題は毎回個別問題10題+総合問題1題みたいな感じで、個別問題は3回〜4回、総合問題は1回〜2回解きました。

 

9月の開講後、年内は週二で授業があり、凄まじい速度でカリキュラムが進んでいくため、毎回の授業についていくだけで精一杯でした。

毎回の授業の最初にミニテストがあり、はじめの方は満点を取れていましたが、カリキュラムが進んで計算テキスト2に入ってからはほとんどのミニテストで満点を取れなくなりました。カリキュラムが進めば進むほど、どんどん難しくなっていきます。

計算テキスト3か直前対策テキストか忘れましたが、インプット項目の最後の方に出てきた抱合せ株式消滅差益なんかは、なんだか響きがエッチなので勘定科目だけ覚えていますが、最後の最後まで意味がわからず、問題も解けませんでした。

月一回の確認テストは、最初の回だけ上位30%台を取れましたが、以降40%台をウロウロするようになり、結局最後の模試まで合格圏内と言われる30%には一度も入ることができませんでした。

年が明け、少しすると学習経験者(前年の試験で落ちた人)が合流し、実力判定模試(通称、実判)に入りますが、計4回の模試を通じて上位40%〜55%で、平均が上位50%のB判定と厳しい結果でした。

 

直前期の5月以降はひたすら答練や過去問を解き直しました。過去問は配られた過去問題集に載っていた10年分を2周。実力判定模試以降の模試は最低5周はしました。

直前期の答練は毎回上位40%〜50%とかで、点数も毎回50点ぐらい。テストが終わって自己採点をするたびに、なんでこんな問題間違うのかとうなだれてばかりでした。

公開模試は、大原のものとは別にTACのものを受けました。まだ仕上がっていない時期とはいえ、平均30点とか40点とか、難しすぎではないでしょうか。見返すと基本的な問題ばっかりなのですが、初見の問題形式だとテンパりがちです。

 

 

最後の最後まで、どれだけ勉強しても順位が上がらないので、正直受かる気がしなかったですが、毎週末自習室に行って、ひたすら問題を解いていました。勉強しているのは自分だけではなく、みんな必死に勉強していますし、同じ学校に通っている限り、結局やっていることはみんな一緒なので、周りと差をつけるのは簡単ではありません。

で、気がつけば本番。本試験の自己採点をしたところ、大原の配点ベース(ただし、かなり保守的に採点)で上位50%だったので、悪い意味で実力通りの結果だったと思います。

勉強方法についての気付き

授業内で口酸っぱく総合問題を解けと言われ、実際に実判近くまでは総合問題を意識的に解くようにしていましたが、模試の成績が上がらないのはそもそも個別問題ができていない、個別論点を理解できていないことが原因だと気が付いたのは直前期に入ってからでした。

総合問題は個別問題の集合なので、個別問題が理解できていないのに総合問題の点数が上がるわけがありません。また、個別問題よりも弱点ごとの復習がやりにくいため、解きっぱなしになりがちでした。

このため、直前期に配られた総まとめ問題集という薄めの個別問題集を、答練の解き直しとは別に、試験本番の直前まで一日5問とかに区切ってこつこつ進めて、本番までに5周しました。

 

あと、簿財は一緒に受けるみたいな風潮がありますが、フルタイムで働きながら週四の授業は絶対に回らないと感じたので、結果的には簿記論1科目に絞って良かったと思います。

時間のある学生や専念組、フルタイム正社員で働きながらの人も、独身で失うものがなく、僧侶のような振り切った生活ができるとか、事前に簿記1級を持っている人とかなら簿財並行の週四授業についていけると思いますし、学習効率もいいと思います。

問題の解き方

計算用紙のT勘定を使う人やそのまま問題用紙の前T/Bに数字の増減を書き込んでいく人がいますが、僕の場合はどうやっても集計漏れが出るので、最終的には仕訳を全部書く方法に落ち着きました。

この方法だとかなり時間がかかりますが、そもそも回答が間違っていたら意味がないので、捨てるところは潔く捨てて、取るべきところを取ることを意識しました。税効果会計関連や繰越利益剰余金は最初から捨てる、商品や純資産は後回し、みたいな感じです。

また、問題の最初から最後まで全部仕訳してから集計、転記すると、時間が厳しい時に一気に失点してしまうため、論点ごと(例えば有価証券関連)に一通りの仕訳が終わったら、都度解答用紙を埋めるようにしていました。

結果だけ見れば合格ですが、仕訳を全部書くのは試験問題が簡単なほど時間的に不利になるので、できる人はできる人のマネをしたほうがいいと思います。一緒に受けた会社の同期は仕訳とT勘定、前T/B直記入を使い分けると言っていました。

実際に試験を受けたからこそわかるこの人のすごさ。


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