結婚してからずっとURに住み続けています。これからもURに住み続けると思います。
URが何かを知らない人はそもそもこの記事を読んでいないでしょうから、URの説明は省略します。
駅前の不動産屋に行くと普通は民間の賃貸を勧められますが、今回はなぜ僕がURに住み続けるのかお話ししたいと思います。
URのCMや不動産関連のWebサイトでもUR特有のメリット、デメリットは取り上げられていますが、ここでは住民として、また(ペーパー)宅建士としての立場からメリット、デメリットをお話ししていきます。
URのメリット
明瞭な料金形態
URの大きなメリットの一つに、料金形態がシンプルなことが挙げられます。
必要なお金は家賃と管理費と家賃2ヶ月分の敷金のみ。礼金、更新料ゼロ。以上です
URが直接貸主として借主と契約するので、宅建法が適用されません。仲介手数料もゼロです。退去時には敷金がちゃんと計算されて返ってきます。
一方で、一般的な賃貸不動産はどうでしょうか。
そこらの不動産屋に入り、提示される物件情報を読み解いていくと、額面の家賃だけではなく、他にも色々な費用がかかることが分かります。
敷金、礼金、管理費、いわゆる不動産屋さんに支払う仲介料だけではありません。
クリーニング代、鍵交換代、強制加入の24時間サポートサービスがあったりします。
普通に暮らしていれば、24時間サポートサービスを使う機会なんて滅多にないと思います。
管理会社が儲かるだけです。
また、2年の更新期間が定められていて、契約更新の度に家賃1ヶ月分が更新料として別に発生したりします。
原状回復の定義や敷金の扱いがグレーなところもあります。
見た目の家賃を上げると住みたい人が集まらなくなりますから、オーナーや管理会社は家賃を上げずに別の方法でなんとか儲けようとします。
家賃が安いと思って契約に進んだ時に、契約時点での初期費用が家賃の半年分かかることも少なくありません。
ちゃんと契約書を読んで判断できるのであればいいのですが、物件によって契約内容も変わるので結構大変です。
この点、URはどの物件でも同じですし、無駄な労力を割く必要がありません。
URの会社自体はお国からの天下りやら何やらで怪しいですが、少なくとも住民にとってはいわゆる明朗会計というやつです。
広い割に安い
URは割高と言う人がいますが、これはある意味では正しく、ある意味では過りです。
URというと公営住宅、マンモス団地みたいなイメージを持っている人が多いと思いますが、実際の物件はボロボロの市営住宅みたいなところから、出来立てほやほやの高級タワマンまでピンキリです。
家賃も間取りもアクセスもかなり幅がありますが、一貫して言えるのは周辺の物件よりも広い物件が多いことです。
URの物件の家賃は周辺の物件の相場をベースに設定されます。
築年数や最寄駅からのアクセスを別にして、2LDKとか1LDKのような間取りだけを比較すると、同じ間取りでも床面積が広い分割高に見えることがほとんどです。
URが高いと言っている人はこの意味で高いと言っているわけです。
都市部だと特に割高感が顕著だなんて言う人もいますが、同じ間取りでも都市部の狭小物件と田舎にある掃除が面倒なほど無駄に広い物件がありますから、この視点を抜きにしてただURが高いと言うのは誤りです。
裏を返せば、床面積ベースで家賃を見ると、周辺の相場に対してそれほど大差ないか、むしろ安いことが分かります。
管理が行き届いている
先述の通りURと言ってもピンキリで、バランス釜が付いた築50年のボロボロ物件もあれば、築数年のハイグレードタワマンもあります。
構内の掃除やメンテナンスは日本総合住生活株式会社という別会社が担当していて、物件の新旧に関わらず管理が安定しているのがURの特徴です。
また、リノベーションを積極的にやっているので、見かけ上は古くても、中は快適な物件がほとんどです。
耐震性の診断もやっていて、結果を公表していますし、旧耐震で補強が必要な物件にはちゃんと工事を進めています。
デメリット
入居のハードルが高い
URは申し込み時の収入要件が設定されており、これが一番のデメリットだと思います。
URは地方自治体が管理している公営住宅と同一視されることがありますが、公営住宅は収入の上限が入居要件に定められている一方で、URの収入要件は収入の下限です。
一年分の家賃を前払いする方法や貯金額を提示する方法もありますが、いずれにしてもそれなりの収入が必要だと言えます。
見た目はボロくても、実際は貧乏人は申し込みすらできない、ある意味高級賃貸です。
引用: ur-net.go.jp
団地が嫌な人は...
家を借りる時にURを検討したことがない人が圧倒的に多いと思います。
そもそもURを知らない人もいるでしょうし、UR=団地というイメージを持っている人も多いと思います。
個人的には悪徳オーナーや管理会社に意味不明な名目で搾取される方が嫌なのですが、団地とかボロい家が嫌なら...どうしようもありません。
(おまけ)不動産本のおすすめ
闇が深い不動産業界を題材にした本です。面白いのでおすすめです。