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今の若者が年上を尊敬しない理由

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こんにちは、猫マグロです。
最近、年上は敬うべきだという考えに違和感を持った出来事がありました。
一方で、今の30代以上の年代を中心に、年上の人間は敬いなさいという考えの人が非常に多いことにも気がつきました。

このジェネレーションギャップを生んでいるものは何か。今日はそんな議論をしていこうと思います。
部下が生意気だと悩まれている管理職の方や、上司を全く尊敬できない若手社員の方に読んで欲しいです。

 

 

年上であることは尊敬される理由にはならない

 

僕の体感だと、今の30代より上の人は年上の人は敬わないといけないと考えている人が多いように思います。一方、20代より下の世代はこの価値観を持っている人が少ないように思えます。僕もその一人です。

僕は、自分よりたまたま早く生まれたという理由でその人を尊敬しなさいというのはロジカルではないと思っています。人を評価するのに、年齢という指標はあまりにも不適切だと考えています。

僕が営業をしている時に、そう思わざるを得ないほど、人格的に破綻している、他人に迷惑をかけることを喜びに生きている、とんでもない年長者に出会ってきました。
歳をとっているからといって、その分人格が優れているとか、能力があるといわけではないのです。
一般的な社会常識が通用しない、法律を理解していない、マナーやモラルに欠ける人は年齢に関係なく軽蔑の対象になります。
いい年した大人でも、小学生でも知っているようなことができない、なんてことは身近にあります。人のものを取ってはいけない、免許がないと車は運転してはいけない...

でも、そんな人ほど「年上は尊敬しろ」と言います。自分を優位に見せられる拠り所が年齢以外にないからです。

一方で、年齢に関わらず、高い能力や社会的地位を持つ人、自分のロールモデルになるような人は尊敬の対象になります。
みんな医者とか税理士に対しては、年齢関係なく自然に「先生」と呼びますよね。自分が努力しても届かない高度なスキルを持つ人は雲の上の人で、多くの人はそれを自然に表現しているのです。

 

30代が年上を尊敬する理由

 

日本の高度経済成長期を支えてきたのは終身雇用と年功序列の社会構造で、僕はこの従来の経済システムが年上を尊敬しなさいという価値観の源だと考えています。

当時、自分より年上の人は自分よりも多い給与を受け取り、高い社会的地位と責任を持つのが一般的でした。尊敬するべき人間は必然的に年上の人ばかりだったのです。これは今の30代より上の世代が当てはまります。

そのような組織で育った人間が、年上の人と敬わないといけないと考えるようになるのは当然で、年上を敬いなさいという言葉を毛嫌いする20代以下の世代は、この社会の背景を知る必要があります。
日本の社会でうまくやりたいなら、なぜ年上だからという理由で謙った態度をとらないといけないのか、なんて思っても言ってはいけません。

  

20代が年上を尊敬しない理由

 

高度経済成長期以降、日本国内の景気が悪くなり、ジョブ型の雇用制度や実力主義が多くの組織で採り入れられると従来の価値観は合わないようになります。

年下の上司なんてザラにいますし、年上の部下もまた然りです。
自分よりも高い地位や能力、意思決定力を持つ人間に敬意を持って接することが自然であるなら、新しい社会構造の中で、年上だから敬意を持って接しないといけない、という考えは生まれません。
あなたを尊敬していませんと露骨な態度で年上に接する人はそうそういないと思いますが、実際の考えは自分自身に聞いてみないとわからないものです。

 

また、若者の価値観に変化が起きたのには他にも理由があると考えています。

例えばは少子高齢化。高齢化社会は若者の社会保険料の負担を増やしており、若者の可処分所得を圧迫しています。
年金の額や受給できる期間もどんどん改悪されています。行く先は老人が自分の人生を妨害しているという極端な選民思想です。老害という言葉が生まれてきたのもそれほど昔ではないような気がします。

インターネットの発達で情報交換が容易になったことも関係しているでしょう。
従来自分の価値観を形成するのは、自分に関わりのある周囲の人間と一部のマスメディアに限定されていました。
自分よりも長い人生経験を持つ年長者の意見は、正解がわからない若者にとって確実に正解と言えるもので、年長者はいわば人生の先生でありました。

が、今はインターネットのおかげで他者の意見や観点を容易に取り入れたり、自分の意見を発信してフィードバックを得ることが簡単にできるようになりました。
情報の信頼性を見極めることは難しいですが、Yahoo知恵袋とかにわからないことを書き込めば知らない誰かが答えを教えてくれます。
ここでは経験と勘に頼る年長者であるよりも、年齢に関わらず専門的な知識とスキルを持っている人の方が重宝されるのです。

 

テニスの王子様の越前リョウマに至っては、自分より弱い相手に対しては先輩だろうが他校の選手だろうが「まだまだだね」なんて曰います。
ひと昔前の漫画ですが、ある意味で実力主義の先駆者だったのかもしれません。