こんにちは、猫マグロです。
今回は確定拠出年金制度がある会社に就職された新入社員に向けて、確定拠出年金の仕組みを簡単に解説し、注意するポイントをお伝えします。
細かい部分は省いているので、興味がある方は各金融機関のホームページで調べてみて下さい。
長い記事になってしまいましたが、最後までお付き合いいただけると幸いです。
確定拠出年金とは
皆さん初任給は入ってきましたか?
毎月のお給料の中から、国民年金と厚生年金の保険料が天引きされていますよね。
いわゆる社会保険料というやつです。
確定拠出年金は、国民年金と厚生年金に加えて年金を受給するための制度です。
DC(Defined Contribution Plan)や日本版401kとも言われています。
確定拠出年金の仕組み
確定拠出年金の名の通り、企業が社員の老後のためにお金を拠出します。拠出額が確定しているから確定拠出です。
このお金を皆さんが「運用」し、加入期間が10年以上かつ年齢が60歳になると、年金を受給できるようになります。
国民年金のように年金として受け取ることもできますし、一時金として受け取ることもできます。
「運用」なので、皆さんが企業に出してもらったお金で預貯金や保険、債券、投資信託などの金融商品を売買することになります。
買った時よりも売った時の値段が低ければ元本割れするリスクもありますし、うまく運用できれば掛け金の数倍にまで未来の年金が増えるかもしれません。
確定拠出年金のメリット
それではなぜ、確定拠出年金が注目されるのか。それは税制優遇にあります。
拠出金非課税
確定拠出年金の拠出時には、拠出額に対して非課税となります。いわゆる所得控除です。
お給料をもらうたびに税金が引かれますよね。
確定拠出年金の拠出金は加入者の給与とはみなされないので、所得税や住民税がかからないのです。
また、社員が掛け金を上乗せできる制度がある企業もあります。いわゆるマッチング拠出制度です。
この場合は、加入者自身が拠出した掛け金も所得控除(正確には小規模企業共済等掛金控除)の対象になります。
運用益非課税
運用益に対しても課税されません。普通、株を売買して利益が出ると、その利益に対して20%の税金がかかります。20%って結構な額ですよね。100万円儲かっても20万円取られちゃいます。
確定拠出年金では、この20%の税金がゼロになります。どれだけ儲かっても税金ゼロです。
確定拠出年金のデメリット
確定拠出年金にもデメリットはあります。
ポータビリティー
実は確定拠出年金制度を利用できる企業はそう多くはありません。
日本には400万以上の企業がありますが、確定拠出年金制度があるのは3万社もありません。
ガイドブックを見ると、確定拠出年金はポータビリティーがあると書いてあります。
転職しても自分の運用実績が新しい会社に引き継がれるので、引き続き年金の積立ができるのです。
しかし現状では、確定拠出年金制度がない企業が圧倒的に多くなっています。
転職先に確定拠出年金制度がなかった場合、自分で運用しないといけません。いわゆるiDeCo(個人型確定拠出年金)に移行します。
自分で掛け金を出して、自分で事務手数料や口座管理料を支払わないといけません。めんどくさいですよね。しかも手数料ばかり取られると非課税のメリットは消えてしまいます。
「私は既得権益バチバチの一生潰れなさそうな大手企業で定年まで働くんだ」という方なら関係ないかもしれませんが、自分で起業したいとか、ベンチャー企業に転職して自分を試したいなんて方には確定拠出年金は扱いづらいかもしれません。
受け取り時に所得税がかかる
拠出時の所得税がかからないだけで、年金を受取る時には所得税がかかります。
老後の資金なので、年金を受け取る時にかかる税金にも多少の控除があります(退職所得控除や公的年金等控除)が、拠出時に所得税を支払わないかわりに、年金を受け取る時に税金を払うのですから、完全な所得控除ではありません。
見方によっては納税の先延ばしでしかないのです。
途中でやめられない
確定拠出年金は一度加入するとやめられません。
確定拠出年金制度があった会社をやめて、そのままほったらかしにしていると、積み立てたお金は返ってきません。脱退一時金という制度もありますが、条件があります。
10年加入したら年金を貰えるわけですから、ライフプランが曖昧な段階で無理に加入する必要はないと思います。
極端な話、30歳になってから加入してもいいわけです。
まとめ
日本の年金制度は自転車操業なので、いつ破綻するか分かりません。(もう破綻していると言ってもいいかもしれません)老後の資金を全部自分で用意するつもりで運用していく必要があるということです。
確定拠出年金制度は定年後の人生を豊かに生きるための手段のひとつになりえます。
僕が厄介だと思うのは、企業ごとに制度が異なることです。確定拠出年金が退職金の代わりだったり、マッチング拠出制度があったりなかったり。
確定拠出年金のデメリットをしっかり理解して、自分のキャリアプランやライフプランを考えた上で制度を利用するかどうかを検討しましょう。
よく考えてみて下さいね!